糖尿病とはどのような病気でしょうか
糖尿病 =「尿に糖のでる病気」と書きますね。
しかし実際、検診や診察では採血をして評価します。
では糖尿病とは実際にはどのような病気なのか簡単に説明したいと思います。
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➊ 糖尿病とは
- 慢性の高血糖症が病気の本質です。
そのため採血をして、現在の血糖値を調べる必要があります。
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➋ 血糖値とは何でしょうか
- 血糖値とは血液中のブドウ糖濃度のことです。私たちは、からだを動かすエネルギー源としてブドウ糖を使います。それは食べ物や飲み物を消化して作られ、血液によってからだ中に運ばれて、エネルギーとして使われます。 糖尿病ではブドウ糖濃度が長い間必要以上に高くなります。
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➌ なぜ血糖値が高くなるのでしょうか
- 糖尿病の本質は、慢性の高血糖症と説明いたしました。では、なぜ高血糖が持続するのでしょうか。それは「インスリン作用が不足」する事で起こります。インスリンは、膵臓からでる血糖値を下げる唯一の物質です。このインスリンが分泌されにくくなったり(インスリン分泌不全)、インスリンの働きが充分でない(インスリン抵抗性)と、血糖値が高くなります。
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➍ なぜ尿糖が出るのでしょうか
- 血糖値が、ある一定の値以上になると尿に糖が出るようになります。一般的にはその境目の値(専門的には閾値といいます)は170mg/dl以上といわれています。尿中に糖を出すことで血液中のブドウ糖濃度を下げようとしているのです。
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➎ 尿糖が出なくなると糖尿病は治ったのでしょうか
- 血糖値が、170mg/dl未満になると(一部の例外を除き)尿糖は出なくなるといわれています。しかし、尿糖が出なくなっても糖尿病が治ったとは限らないので注意しなければなりません。
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➏ なぜ糖尿病を治療しないといけないのでしょうか
- 糖尿病と診断されても、自覚症状がない方が少なくありません。しかし、糖尿病を放置しておくと、将来様々な合併症を引き起こすので、その予防のためです。
- 上記に示すように糖尿病患者さんは合併症(余病)によって、生活の質が落ちたり場合によっては命にかかわることもあります。ただコントロールが良ければ合併症のリスクを減らせることもわかっています。詳しいことは合併症編で説明いたします。
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➐ 増えてきた糖尿病患者数
- 日本の糖尿病患者数は2012年の国民健康調査では約950万人、予備群(軍)を含めると約2,050万人と推計されています。次の表を見るとその増加ぶりがわかります。
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➑ 糖尿病の分類
- 体質と生活習慣が原因の2型糖尿病と、インスリンを分泌する膵臓の細胞からインスリンが出にくくなる1型糖尿病などがあります。
日本では2型糖尿病が95%以上を占めますので、2型糖尿病を中心に説明いたします。
糖尿病は生活習慣病と言われています。
2型糖尿病、高血圧、脂質異常症は、『生活習慣の改善で発症・進行が予防できる病気』であることから、そのように呼ばれるようになっています。
当クリニックではより良い生活習慣に改善していく手助けをさせていただきたいと思います。